ワラオBOOKクラブ③ ~絶望の名人、カフカ~
2016年12月15日
ワラオが図書館で見つけた、気になる本をご紹介します。
今年もあとわずかですね。
この時期になると「今年はああだった、こうだった」と後悔もしつつ一年を振り返ることが多いのではないでしょうか。
そこで、今回のおすすめ本は
『絶望名人カフカの人生論』(フランツ・カフカ 頭木広樹 編訳/飛鳥新社)
「将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。
将来にむかってつまずくこと、これはできます。
いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。」
いよっ!ネガティブ名人!と思わず叫びたくなる名言です。
しかも、この言葉はラブレターに書かれた一節なのです。
さらに驚くべきことに、この恋人とのちに婚約します。
(しかしそのあと婚約破棄に!)何がなんだか分かりません。
カフカは「父が」「仕事が」「人付き合いが」「胃が」「睡眠が」ととにかく愚痴ばかり、ありとあらゆるものに絶望しています。
愚痴っぽい人は敬遠されがちですが、カフカはそんじょそこらのネガティブとはわけが違います。
読み進めるうちに圧倒され、次第に「しっかりしろ!がんばれ!」と笑いながら応援したくなるのです。
この本を読んだ後、もし悩んだり後悔することがあっても「カフカよりはましか」と、きっと元気がでてくるはずです。